脊髄小脳変性症について

身体が徐々に動かなくなってしまう難病「脊髄小脳変性症の少女を描いた実話『一リットルの涙』は10年程前にドラマなど様々なメディアで取り上げられました。

「脊髄小脳変性症」は難病として指定されており、脊髄小脳変性症の患者さんは全国で約3万人以上と言われています。病型が多数存在し、症状や進行も患者さんによって差があり、原因が解明されていない部分が多くあります。

今回は脊髄小脳変性症とは何か?
脊髄小脳変性症の原因は?
脊髄小脳変性症に対して鍼灸師が出来ること
以上についてお話していきたいと思います。

脊髄小脳変性症とは?

脊髄小脳変性症(せきずいしょうのうへんせいしょう)とは、主に小脳の神経細胞が変性して現れる運動失調やふらつきなどの症状を中心とした神経変性疾患の総称です。1つの病気だけでなく、症状を呈する病気の集まりですので、運動失調のみ出現するタイプや自律神経症状などが現れるタイプまで数多くの種類が存在します。明瞭な原因なくして神経細胞が徐々に障害されていき、最終的には神経細胞がなくなって脳が委縮します。

脊髄小脳変性症の分類

脊髄小脳変性症は、遺伝性疾患と非遺伝性(孤発性)疾患に大別され、非遺伝性疾患が全体の60~70%を占めると言われています。非遺伝性に分類されている「多系統萎縮症」という病気は病型により程度は異なりますが、運動失調症が症状の中心になる場合がありますので、多系統萎縮症の一部も脊髄小脳変性症とされます。

脊髄小脳変性症の症状

脊髄小脳変性症の主な症状は「動かすことは出来るのに、上手に動かすことが出来ない」というものです。これは小脳という、後頭部の下側にある脳の一部が病気になったときに現れる症状です。この症状を総称して、「運動失調症状」と呼びます。

運動失調症状をきたす病気の中で、その原因が腫瘍(がん)、脳梗塞や脳出血などの血行障害、多発性硬化症などの炎症、栄養障害ではない病気について、昔は原因が不明な病気の一群として、変性症と総称しました。病気のタイプによっては病気の場所が脊髄にも広がることがあるので「脊髄小脳変性症」と言うのです。

脊髄小脳変性症の症状は病変部位や病型により異なりますが、運動失調症状を主体とし、パーキンソン症状、自律神経症状などが見られます。

運動失調症状

立ち上がった時や歩行時のふらつき、片足立ちができないなど体幹のバランスが不安定な状態となります。また四肢の運動失調や、ろれつが回らないなどの症状がみられます。

パーキンソン症状

手足の震えや四肢の関節が動かしにくさ、表情が乏しくなるなどのパーキンソン様症状が見られます。

自律神経症状

起立性低血圧、排尿・排便障害などの自律神経症状がみられる場合があります。

脊髄小脳変性症の原因は?

脊髄小脳変性症の明確な原因はまだ不明です。孤発性(非遺伝性)のタイプは環境や生活習慣などが原因ではないかと考えられていますが明確な繋がりは立証されておらず、解明されていない部分が多いです。

しかし、約30%の患者さんは脊髄小脳変性症を発症する遺伝子変異を持っています。また、発症しやすさを増加させるような遺伝子のタイプもあると考えられており、このような遺伝子が複数影響しあい、脊髄小脳変性症を引き起こすと考えられます。

脊髄小脳変性症に対して鍼灸師が出来ること

脊髄小脳変性症は発症後徐々に進行していき最終的には寝たきり状態となっていく疾患ですので、病気そのものを治すと言う目的ではなく、出現している症状を軽減させて、病気の進行を少しでも遅らせてあげることで、自分で出来ることは出来る期間を延ばす(=寝たきりになるまでの期間を延ばす)ことを目的として鍼灸治療を行います。

脊髄小脳変性症は障害される部位によって病型が異なる為、症状も多岐に渡るのですが、鍼灸治療では患者さんに合わせた治療を迅速に行えることも1つの大きなメリットです。例えば、めまいや立ちくらみなどの自律神経症状は自律神経の乱れを整えてあげることで、手足の震えや関節の動かしにくさなどの運動症状は筋肉や関節の循環を良くして柔軟性を上げていくことで随時対処していきます。

このページで出した脊髄小脳変性症の症状は、ほんの一部に過ぎませんので、ページにはないその他お困りの症状がある際は遠慮なく当院へご相談ください。