体位変換困難による褥瘡(じょくそう)

このページでは褥瘡とは何か?褥瘡の原因は?鍼灸師が褥瘡に対してできることは?などについてお話していきたいと思います。

褥瘡とは?

褥瘡は、一般的に床ずれと言われています。

同じ体勢での寝たきりなどで、体重に圧迫された場所の血流が悪くなることで、皮膚が赤くなる、ただれる、傷ができるなどのことを言います。皮膚の表面だけでなく、皮膚の下の骨の付近まで症状が出ることもあります。

褥瘡の原因は?

体位変換ができず長時間の同じ姿勢で、同じ部分が圧迫されると、その皮膚の栄養や酸素が滞り、褥瘡ができてしまいます。

本来人間は、寝返りをうつことで定期的に体位変換(長時間同じ部位に圧迫がかからないよう、寝返りなどの様に体を動かす動作)を行い、褥瘡はできません。

病気や怪我により体を自由に動かせないことや、体が衰えて寝返りがうてなくなると、褥瘡ができる可能性がでてきます。

褥瘡ができやすい人がいる?

長期間の寝たきりで栄養状態が悪く、皮膚が弱くなっていると褥瘡ができやすくなります。大きく3つのグループに分けてみました。

①皮膚の状態

圧迫、皮膚が弱い、摩擦、乾燥、汗や排せつ物などによる湿気、寝具や洋服のしわやずれ

②健康状態

痩せている、低栄養、麻痺、浮腫、身体能力低下や認知症などで身体が動かせない。

糖尿病、脊髄損傷、脳血管疾患、パーキンソン病、末梢血管疾患などの疾患をお持ちの場合は、それらが褥瘡発生のリスクとなることもあります。

③周囲の環境

在宅介護での人手不足、寝具や枕などの不一致。

以上、三つのどれかに当てはまる方は褥瘡ができやすいとされています。

褥瘡はどこにできるの?

姿勢によって異なりますが、褥瘡のできやすい部位があります。特に骨が突き出ている場所は褥瘡ができやすいです。

下の図は、褥瘡のよくできる所です(上から、仰向け時、横向き時、座位時)。

褥瘡の経過は?

初期は皮膚表面が赤みをおびます。赤くなっている皮膚を、指で軽く圧迫すると皮膚が白っぽく変化するときがあります。押したときに白くなり、離すと赤く戻るものは褥瘡ではありません。

そのまま赤みが消えないものは褥瘡の初期と思われます。状態が進行していくにつれ、皮膚表面から、皮下組織、筋肉、骨の近くまで進行していきます。壊死して黒っぽくなるなど、組織の欠落なども出てきます。

褥瘡になると何が怖いのか?

褥瘡にかかりやすい方は高齢者や病気で身体の弱った方々です。

皮膚は人体と外界との境界で、バリアの役目があります。しかし、褥瘡により皮膚に穴が開くと感染症併発の可能性が高くなります。

元々、体力や免疫力の低下しているところに、菌が入り皮膚炎や骨髄炎、敗血症から死に至ることもあります。

褥瘡の予防はどうしたらいいの?

・体位変換を行う

同じ場所への圧迫を避けるため、定期的に体位を変えます。個人差もありますが、基本的には2時間以内に体位変換を行います。

体位変換時は転倒のリスク、摩擦やずれをなくすため、できれば2人で行う方が良いでしょう。痩せていても、意外と力もいりますし、介助する側の身体への負担もあります。

クッションやマット、介護ベッドで圧力を分散

接触する面積を広げ、圧を低くするさせる。また、体の向きを変え接触部位を変えることもできます。また、衣服やシーツのシワを無くすことで圧力が偏るのを防げます。

栄養状態

低栄養な状態になると、皮膚や皮下組織、筋肉が弱り褥瘡ができやすくなります。

皮膚状態

尿や汗などの湿気により皮膚のふやけを防ぐ。また、皮膚が乾燥しないように保湿も大切です。

鍼灸師のできることは?

私たち鍼灸師も褥瘡の方や予防に協力できることはあります。

鍼灸治療には血流改善の効果があり、圧迫による局所の血流不足で起こる褥瘡の改善には効果が見込めます。

予防の観点からも、日常的に全身の血流不足に気を付けていれば、褥瘡そのものの発生の予防にもつながります。

褥瘡の状態により、褥瘡の周りから治療したり、手足のツボを使ったりと治療法は様々です。

また、施術の際は体位変換も行うのでご家族や施設の方の介護のお役に立てるかとも考えています。

寝たきり状態が長い方は褥瘡になりやすいため、現在は、認知症や関節拘縮などの寝たきりの方のご相談も多く受けています。

まずはお気軽にご相談ください

褥瘡は医師や看護師、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、介護スタッフとの連携がとても大切になってきます。

早めの処置が予後を大きく左右します、「これって褥瘡かな?」と思われた際は、早めのご相談を心がけください。

このページで出した褥瘡の症状は、ほんの一部に過ぎませんので、その他お困りの症状がある際は遠慮なく当院へご相談ください。