現在日本において、医療費の増大はニュースなどでもよく見かける話題ですね。
高齢化による医療費の増大はよく挙げられますが、医療技術の進歩によって開発された新薬の公費負担も原因のひとつだと言われています。
そんな中で、「健康寿命を伸ばすこと」や「予防医療・介護」の概念が重要視されるようになってきました。
そのため、病院や施設などでの機能回復だけでなく、社会参加を促すことを目的とした、暮らしの中(在宅)でのリハビリテーションの必要性が出てきたのです。
今回は、
- 訪問リハビリとは?
- 訪問リハビリでは何をするのか?
- 訪問リハビリを利用できる方はどんな方なのか?
- 訪問リハビリを利用するには?
- 訪問リハビリはどんな方にオススメなのか?
以上の内容についてご紹介していきたいと思います。
訪問リハビリとは?
訪問リハビリは、ご自宅での生活において、日常生活の自立と社会参加を目的として、主治医により訪問リハビリの必要性が認められた場合にサービスを受けることが出来ます。
病院、診療所、介護老人保健施設等の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が利用者の自宅を直接訪問し、心身の機能の維持回復を図ることで、日常生活の自立を支援する為、各リハビリテーションを行います。

訪問リハビリでは何をするの?
訪問リハビリでは、大まかに下記の3つの内容を行っていくそうです。
- 1.病状の観察
- 2.日常生活への指導やアドバイス
- 3.介護相談
更に各項目の詳しい内容を挙げていくと、
1.病状の観察
主に利用者の体温、脈拍、呼吸、血圧等のバイタルチェックや肉体面および精神面の健康状態の確認、利用者ご本人だけでなく、介助者の健康状態も把握した上での総合的な予後予測を行っていくそうです。
2.日常生活への指導やアドバイス
- 寝返りなどの体位交換
- 起き上がりや座る動作の訓練
- 立ち上がり動作の訓練
- 歩行訓練
- 嚥下訓練(えんげ=物を飲み込む動作)
- 関節の変形や拘縮(こうしゅく=筋肉の持続的収縮)の改善
など日常生活で必要な動作の指導を通して、コミュニケーション機能の改善・QOL(生活の質)の向上や趣味、社会参加促進の為のアドバイスをしていくそうです。

3.介護相談
ご自宅における日常生活の注意点の指導だけでなく、必要に応じて介助や介護の方法を家族に指導したり、在宅生活の中で必要な福祉用具や住宅改造についてのアドバイスをしたりすることもあるそうです。
訪問リハビリの対象者は?
訪問リハビリは下記の条件に全て当てはまる方が対象となります。
要介護(1~5)と認定された方
40~64歳までの方については要介護状態となった原因が、16種類の特定疾病による場合が認定の対象となります。
※要支援(1~2)の方は 介護予防訪問リハビリテーション の対象となります。
主治医から「訪問リハビリテーションが必要」と認められている方
尚、訪問リハビリは介護保険の他、医療保険でも利用することは可能ですが、原則として要介護認定を受けている方は介護保険が優先です。
しかし、65歳未満や65歳以上でまだ要介護認定を受けていない方は医療保険で利用するそうです。
訪問リハビリを利用するには?
介護保険で訪問リハビリを利用する場合は、主治医に訪問リハビリを利用したい旨伝えて、訪問リハビリの指示書を3ヵ月に1回主治医より発行してもらいます。(医療保険で利用する場合には、1ヵ月に1回の発行が必要です)
その際、ケアマネージャーに相談し、ケアマネージャーから主治医に依頼してもらう方法もあります。
次に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等がリハビリテーション実施計画書を作成し、リハビリテーション実施計画書に基づいて、リハビリテーションを受けます。
また、リハビリテーション実施計画書は、実施した訪問リハビリの効果を踏まえて、医師の医学的判断に基づき、定期的に見直しが行われます。

訪問リハビリはどんな方にオススメ?
これまで訪問リハビリについて詳しくお話ししましたが、記事を読まれて「自分(家族)の場合は訪問リハビリをしてもいいの?」と迷われる方もいらっしゃるかも知れませんね。
筆者の独断ではありますが、ご自身やご家族の方が下記に当てはまる場合は主治医やケアマネージャーの方に一度ご相談してみては如何でしょうか?
- 自分はどんなリハビリを行えばよいかわからない。
- 体の動きが悪くて、自分がしたいことや好きなことが行えない。
- 筋力が低下して歩くことに不安がある。
- 手の動きが悪くなってきた。
- 言葉がはっきり出ない、会話に支障が出ている。
- 日常生活に対して不安な部分がある。
- 食事中にむせるようになった。
- 麻痺や拘縮がある。
- 福祉用具の使い方がわからない。
