大腿骨骨折後遺症

高齢化にともない大腿骨骨折は増えてきています。その中でも、大腿骨頸部骨折は特に多くなっています。

加齢で骨がもろくなるとともに、筋力低下などからバランス感覚も低下し転びやすくなるからです。

今回は大腿骨骨折、その後遺症とは何か?

大腿骨骨折の原因は?

大腿骨骨折後遺症に対して鍼灸師が出来ること。
以上についてお話していきたいと思います。

大腿骨骨折と、その後遺症とは何か?

大腿骨は太ももにある、人体最大の長管骨で、骨折が生じるには極めて強い外力が必要となります。若い方の場合も交通事故や高所からの転落などで、大腿骨を骨折することはありますが、高齢の方の発生頻度が極めて高いです。

骨粗鬆症などの原因により高齢の方は比較的弱い力でも折れる場合があります。
後遺症は人によって異なりますが筋力低下や関節可動域の低下、痛みやしびれが残ったりする人もいます。治療法によっても異なりますが、再び歩けるようになるまでに期間も必要になります。

その間ベッドでの生活が続くと、脚だけでなく全身の筋力の低下が起こることになります。そのため、完治してからの生活、リハビリがとても大切です。

大腿骨骨折の種類

原因は?

転倒により骨折することが多いです。転倒によることが多いといっても、若い人では起こりえないような軽い力(つまずく、ベッドから落ちるなど)で起こることもあります。

また、特に原因が思い当たらず、いつの間にか骨折していたということも見られます。
高齢者、特に女性に多く、骨粗鬆症などで骨がもろい状態で起こりやすくなります。

症状は?

骨折した直後から脚の付け根の痛みと腫れがあり、歩くことができなくなります。

骨折のタイプや程度によっては骨折直後も痛くなかったり、立ち上がったり歩いたりできてしまう場合があります。脚の付け根ではなく膝が痛くなることもあります。

認知症のある方の場合には、しばらく気づかれないこともあるので注意が必要です。

大腿骨骨折の治療法とは?

治療法には大きく分けて手術療法と保存療法の2つがあります。

・手術療法

大腿骨頸部骨折には、骨接合術と人工関節置換術のどちらかが行われるのが一般的です。骨接合術とは、折れた部分を金属の板やネジ(骨接合材)で、固定します。

骨折部を骨接合材で固定すると早目にリハビリテーションをすることができます。使用する骨接合材は、骨折の場所や折れ方で使う種類が異なります。

人工関節置換術とは、変形や変性をしている股関節の骨や軟骨を取り除き、人工物である「人工関節」に置き換える手術です。
運動療法や薬物療法といった保存療法でも痛みの改善がみられず、また骨切り術(股関節近くの骨を切り、股関節のかみ合わせをよくする手術)が適応とならない場合に行われます。

・保存療法

体重などの負荷をかけない状態を保つことで、骨融合(骨が自然とくっつくこと)を待つ。
手術の場合は早ければ1週間後から荷重をかけたリハビリが再開できることもあります。
保存療法では、荷重をかけない免荷期間が4~5週間が一般的です。

多くの場合は手術療法が選択されます。大腿骨頸部骨折、転子部骨折は、その後に寝たきりになりやすい疾患と言われています。

その為、できるだけ早くからの離床と歩行訓練が望まれています。

大腿骨骨折後に何が問題となるか?

・関節拘縮(関節が固まる)

・筋力低下

・褥瘡(床ずれ)

・心肺機能の低下(肺の機能が弱まり、肺炎の可能性上昇)

・認知症の進行などなど

高齢者の場合、ベッドで寝ていることが多くなることで以上の様な症状が起こりえます。これらを防ぐために、早めに離床させリハビリを開始することが必要と考えられています。

そのため、保存療法ではなく手術による人工関節置換術などが第一選択にされています。

鍼灸師ができること

先ほど大腿骨骨折後の問題として症状を挙げましたが、我々鍼灸師が役に立てることはたくさんあります。

①褥瘡の予防、改善

褥瘡は局所の血流が悪くなり発生します。原因としては、マットレスや車椅子などによる身体の外からの圧迫と、皮膚や筋肉などを圧迫する身体の内からの力によって局所の血流が減少し栄養されないことで起こります。

鍼灸は血流改善効果が強く、褥瘡の予防と治癒の促進の効果が期待できます。

②関節拘縮の予防、改善

長期臥床(ベッドで寝ている時間が多い)が続くと、関節拘縮が進行してしまいます。関節周囲の筋肉、靭帯、皮膚などが固まってしまい、関節の可動域制限がでてきます。

鍼灸や徒手療法などを加えることで、関節や周囲の柔軟性が上がることで拘縮の予防、改善につながります。

利用者様の声

女性・90歳代

5年位前に右の人工股関節置換術をしました。今では、おかげで動かしにくさもなく痛みもありません。
普段以上に歩いた後は、左脚よりも浮腫みが出ることはありますが、お灸で治してもらっています。

女性・80歳代

転倒による大腿骨頸部骨折の手術後は、病院でのリハビリ指導もあり順調に退院できました。

それから自宅に帰ってからの生活、運動や筋トレで何をしたらいいかわからない時にあすなろに出会いました。治療はもちろん、生活に沿ったアドバイスが助かっています。

具体的な施術内容

術後に痛みが残るケースもあります。もともとあった筋肉の痛みや、アライメント(関節の角度)の変化、手術痕(傷口)付近の皮膚や筋肉の緊張などにより痛む人もいます。

カウンセリングと触診をおこない、その人に合わせて鍼灸やマッサージのやり方を変えて施術します。また、痛みを取る施術と合わせて、活動量の低下による筋力低下を改善するために筋トレも取り入れています。

後遺症の予防改善と、その後のリハビリ、ADLが少しでも上昇するお手伝いができたらと思っています。

症状は人によって異なります、ここに書いた情報はごく一部にすぎません。気になることがありましたら、当院までご相談ください。